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高校生200名の未来に、光あれ! 「大学卒業後のキャリア形成」を考える会【企業講座レポ】

高校生200名の未来に、光あれ! 「大学卒業後のキャリア形成」を考える会【企業講座レポ】

 「将来の進路を決める」ということ。それは世の学生たちに等しく訪れる、極めて重要な選択の機会です。しかし、特に多感な時期にいるであろう高校生にとって、自らの本当の志望や志向を的確に見定めることは、決して容易ではありません。そんな彼らに道を示すべく、多くの学校では進路学習が行われていることと思います。

 2023年11月の企業講座でマクニカがお世話になった横浜市立南高等学校では、進路学習部が主体となって「進路講演会」や「社会人講演会」を定期的に開催しています。そして202428日、マクニカはこの取り組みにもお招きいただき、同校の生徒約200名に対する支援の機会を得ることができました。

 講演のテーマは「大学卒業後のキャリア形成」。また、生徒たちが「講演を通じ、変わりゆく未来を見据え、今、そしてこの先、何をどのように学ぶことが必要かを知る。仕事をする、ということについて、社会人から講演を聴いて考える」ことが狙いです。

 本記事では、マクニカの本村健登(もとむら けんと)による講演の内容をご紹介します。

■横浜市立南高等学校とは?
昭和2951日設立という、長い歴史を誇る全日制普通科高校である。平成24年に横浜市立南高等学校附属中学校を開校し、併設型中高一貫教育校となった。「知性・自主自立・創造」を教育理念に、「学びへの飽くなき探究心を持つ人材の育成」「自ら考え、自ら行動する力の育成」「未来を切り拓く力の育成」の3つを教育目標にしている。"次世代のグローバルリーダー"を育成するため、国内・海外研修や国際交流活動も継続的に実施している。

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目次

冒頭のあいさつと紹介

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▲今回の講演は、200名をゆうに収容できる大きなホールで行われました。

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▲開始直後、本村は壇上にいませんでした。静けさに包まれる会場......。そのとき、彼が突如スクリーンから会場に語りかけました。


 「南高校の皆さん、こんにちは。私は本村健登と申します。皆さんにお会いできるのをすごく楽しみにしていました。今日は皆さんに、社会というものについて少しでもイメージできるようなお話ができればなと思います。そして、未来に向けて今から取り組むことのできる科学的なメソッドを3つ紹介しますので、よろしくお願いいたします。」

(動画終了とともに、本人が舞台袖から現れる)

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 こんにちは、いきなりすみませんでした! 実は今の動画は、私の顔と声色を学習済みのAIに、セリフを打ち込んで作ったものなんです。AIというテクノロジーはもう、こんなところまで来てしまっているのです。今回は、「現在の社会がどうなっているのか?」について少しでも皆さんに共有し、今後の高校生活の参考にしていただければと思っています。

 改めまして、マクニカでAI関連の事業に携わっている本村です。本日はよろしくお願いします。

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 今回の講演には、「激動の社会で人生を有意義にしまくる3つの科学的アプローチとQ&A100本ノック」というタイトルを付けてみました。

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 今後、皆さんが社会に出るタイミングは36年後くらいかと思いますが、そのなかで社会人の話を聞く機会が何度も訪れるはずです。仮に私個人の意見や体験をお話しても、また別の方はまったく違うことを話すでしょう。すると、何が正解か分からなくなってきます。そこで今回は、データによって裏付けられた「人生を有意義に生きるための科学的なエビデンス」に私の体験を織り交ぜながら、皆さんの成長につながる生活の送り方などをお話したいと考え、このようなタイトルにしました。

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 本題に入る前に、まずはマクニカについてご紹介します。マクニカは半導体・ネットワーク・AI・モビリティなどのさまざまな事業を手がけており、「最先端テクノロジーを社会に実装し続ける」というビジョンを軸に、創業から50年以上経ちます。皆さんがよくご存知の企業様も含め、ワールドワイドで26,000社以上のお客様と事業を共創しています。

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 こちらは、マクニカのパーパスです。パーパスには、「企業の社会的な存在価値や社会的意義」といった意味があります。そして、私たちがイメージしているのは「ファーストペンギン」です。北極などで群れなすペンギンは海に入って魚を獲りますが、サメやシャチに捕食されるおそれがあるため、一番最初に飛び込むには勇気が必要です。そのペンギンのように失敗を恐れず、技術の実装に向けたチャレンジを続けることを、私たちは目指しています。

 しかし、最先端と言っても2040年や2050年の未来に向けた研究をしているわけではありません。たとえば先ほどのAIアバターのように、身近なところにある最先端の技術を「今」に実装し、価値を提供すること。これが私たちのパーパスというわけです。

誰も予想できない世界で、自分を信じるということ

 ここからは、世の中の状況についてお話します。皆さんもご存知のとおり、2019年と2020年は、新型コロナウイルス感染症が社会や経済に大きな影響を及ぼしました。直近でマクニカに入社した新卒の皆さんからも、「まともな大学生活を送れなかった」という話をよく聞きます。

 この画像の真ん中に、大きな「K」があります。これは、パンデミックの影響で景気が右肩上がりに成長した業界と、逆に右肩下がりの業界があったことを表しています。

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 この傾向をより詳しくまとめたのが次の画像で、まず左側の「増収/増益産業」には通信・訪問販売、Eコマース、証券などが並んでいます。外出を控えなければならかったので、家にいながら買い物ができるサービスの需要が高まったということです。一方、右側の「減収/現役産業」には空運、旅行・宿泊、飲食店などがあります。特に、旅行・宿泊は業界全体の50%が下がってしまい、大打撃を受けたことが分かります。

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 このデータで私が皆さんに伝えたかったのは、「こんな状況になるのを、一体誰が予想できたのか?」ということです。

 たとえば、まだ私が大学生だった10年ほど前は、有名な空運企業から内定が出ると、一躍ヒーロー扱いで、周囲の憧れの的になりました。同じく旅行・宿泊業界も「自分も沖縄に行きながら、旅行者の人たちに楽しんでもらう計画を立てるのを仕事にできるって、すごく楽しそうだよね!」などと言われたりもしていました。

 ところが、新型コロナウイルス感染症の影響で、それらの業界では倒産した企業もあったわけです。逆に表の左側の企業も、前もってどこが伸びるかを予想はできませんよね。もしそれが最初から分かるのなら、誰も必死にはならないでしょう。

 現在の世の中は、それ以外の色々な出来事や予測不可能なインシデントのせいで、先が一切見えない状態です。今後、「面白そう」「やってみたい」など、自分の気持ちが向くところにチャレンジしてみるのは、よいことだと思います。しかし、「伸びそう」「下がらなそう」という軸で業界を選ぶのは非常に危険だと言われていますし、実際このようなデータが出ているので、注意しなければなりません。

 世の中の大きな変化としては、AIも含むさまざまなテクノロジーの急速な進化も挙げられます。現在では1ヶ月単位で高度なものが次々と登場していて、正直なところ、今日の講演も冒頭のAIにテキストを打ち込むだけで成立した可能性さえあります。それほど、AIの進歩はとてつもないということです。

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 こうした状況になったのは、2023年に入ってから間もなくのことでした。ChatGPTや画像生成AIが登場し、その半年後くらいにはこの2つが掛け合わさることで、さらにテクノロジーが進みました。

 また、AI研究の界隈では2050年から2060年に「シンギュラリティ」が訪れるとされています。これは人工知能が人間の知能を上回る瞬間のことで、生成AIの進歩がそのタイミングを15年早めたと言われています。このようにテクノロジーの進化が早すぎるあまり、67年後には、皆さんが高校生の頃にやりたいと思っていた仕事がまだ存在するかどうかという世界観に現在はなっています。

 一例ですが、先ほどの自己紹介のスライドで使った私の写真でも動画を作ることができます。本当にすごいですよね。

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▲本村はここで、冒頭とは別の動画を披露。日本語・英語・フランス語・スペイン語など、さまざまな言語でメッセージが贈られました。最初の動画がAIで作られたことが明かされたときと同じく、会場にはどよめきが。



 私はこの動画ほど流暢に英語を話せませんし、フランス語は分かりません。ですが、ただテキスト打つだけでこんな動画を作れるのです。今回は面白半分でお見せしていますが、たとえばグローバルで事業を展開している企業の社長が、全世界に向けて自分のメッセージを発信したり、英会話などの教育コンテンツに利用したりと、使い方は無限大です。

 改めて、皆さんはこんな世界の訪れを予想できたでしょうか? いえ、皆さんに限らず、やはり誰にもできなかったでしょう。こうした世界は「VUCAの時代」と呼ばれ、実は2013年ごろにはすでに到来していたとも言われています。この時代では、画像に書かれた4つの単語の出来事が起こっています。

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 どのような変化が起きるかをまったく予測できない状態を示す、「Volatility」。自分が選択したことですら不確実な「Uncertainty」。AI然り、単一の要素のみでは事を成すのが難しい「Complexity」。そして、どんな問題にも明確な答えはないという「Ambiguity」です。

 皆さんの今後の人生においては、すべてが曖昧なこのVUCAの時代を、いかに有意義で幸せに過ごしていくのかがテーマになってくると思います。その乗り越え方も研究が着実に非常に進んでいて、現在は情報や知識を蓄えるフェーズにあります。

 ですから、先行きが不透明だからと不安になる必要はありません。たとえば、今でこそ騒がれているAIにしても、1年後には当たり前に使われすぎていて、「よくあんな話をしていたな」と言うほどに時代が進んでいるかもしれません。

 つまり結局のところ、現代で何かを選択するときに信じられるのは、自分自身ということです。

皆さんには「自分は何者なのか?」を高校生の時点で把握し、自分がやりたいことや選択をしっかりと言語化することで、大学生や社会人になったときに、よい生活を送ってほしいと私は強く思っています。

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3つの科学的アプローチ①:自分を知る

  ここからは、3つの科学的アプローチを紹介していきます。

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 1つ目は、自分の価値観や、やりがいを言語化し、自分を知ることです。皆さんは机に向かって、「自分は何がしたいんだろう......」と悩むこともあると思うのですが、世の中にはそれを言語化できるワークがたくさんあります。それこそ「自分の価値観を知る」とWeb検索するだけでも、いっぱい出てきます。

 たとえば、人の性格を言語化して評価することにおいて高い信頼性を誇る「ビッグファイブ」というテストがあります。このテストでは、自分が開放的なタイプなのか、神経質なタイプなのかといったことが分かります。日本だけでなくワールドワイドで研究されている分野なので、一度やっておけば、自分の性格に向き合えると思います。

 次に「自分が何に対して喜びを感じるのか」という価値観についてですが、これを探るのに適した、ニューメキシコ大学の研究があります。今回はサンプルとして、私が行ったワークをご紹介します。
(※:リンクはGoogleスプレッドシートに遷移します。ワークを行う場合は、シートをダウンロードしてご利用ください)

 このワークは同大学の心理学者が定義した80種類の価値観から、自分に当てはまるものにチェックを入れるという内容です。そして、最終的に「絶対に譲れない価値観トップ10」や、「自分に当てはまらない価値観ワースト10」などを決めます。私もそうだったのですが、これを行うだけでも、自分が大切にしているもの・喜びを感じるもの・有意義だと思うものなどに気づけると思います。

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 私の場合は、「喜びに満ちた快適な人生を送る」「健やかで体調よく生きる」「変化と成長を維持する」「価値ある知識を学ぶ、または生み出す」などが上位にランクインしました。これらは本当に大事にしていますし、私の生きがいでもあります。

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 つまり、このワークによって「面白いAIをリサーチして実際に触って知識を蓄え、こうした場で発信をすることが、私はとても好きなんだな」ということが、表層に出てくるわけです。進路やアルバイト、何でもOKなのですが、自分を知ることが何かを選択するときの尺度になると言えます。

 ちなみに、ワースト上位は「他人をコントロールする」「いつも一定して変化のない人生を送る」「過去から受け継がれてきたパターンを尊重する」「絶対に破れない約束や誓いを結ぶ」「地味で控えめに生きる」などでした。この結果も、実に的確です。

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 私はこのような結果になりましたが、選択肢は人によってまったく違います。高校生のうちに自分の価値観を知ることができれば、その後の経験の積み重ねによって、「どのように大学生活を送るか」「そもそも大学に行く必要あるのか」といったことが見えてくると思いますので、皆さんもぜひこのワークに取り組んでみてください。

 また、先ほどChatGPTのお話をしましたが、この生成AIも言語化を大いに手助けしてくれます。今回は、私が自分で作った「Quiz Minder」というアプリを使ってみます。このアプリは、自分がした質問をクイズ形式で問いかけてくれるというものです。試しに、「私はどこの学部・学科に進路として進めばいいのか」と質問してみます。

(以下、Quiz Minderの回答をサンプルとしてテキスト化)

Quiz Minder:
進路を決める際には、あなたの興味、強み、キャリアの目標などを考慮することが重要です。あなたの興味や将来の目標に関するヒントを得るためのクイズを出しましょう!

Q1. あなたが最も好きな学校の教科は何ですか?

A. 数学や物理などの理系科目
B.
文学や歴史などの文系科目
C. 美術や音楽などの芸術関連科目
D. 体育やスポーツ科学

Q2. 将来どのような仕事に就きたいですか?

A. エンジニアや科学者など、技術的な商業
B. 教師や作家など、人々とのコミュニケーションが中心の職業
C. デザイナーやミュージシャンなど、クリエイティブな職業
D. スポーツ選手やトレーナーなど、身体を動かす職業

Quiz Minderの回答サンプル終了)

 今回は有料のChatGPT4.0を使ったデモでしたが、もちろん無料版のChatGPT3.5も使えます。先ほどの質問に加え、「クイズ形式で対話を続けながら言語化してください」などと入力すると、同じようなやり取りができます。このように、人間とは異なるコミュニケーションをとれるAIと対話を重ねることでも、自分の考えを言語化することができるので、オススメです。

3つの科学的アプローチ②:自分軸で生きる

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 2つ目は、「自分の人生を他者と比較せず、自分軸で生きる」ことです。

 「人間は他者と比較することに依存しやすい生き物である」という前提のもと、この分野もかなり研究が進んでいます。例として、筑波大学では「SNSで友人が何をしているかを見る時間が長ければ長いほど、その友人との関係性と幸福度が下がる」という研究結果を2019年に発表しています。それから5年が経った現在では、SNSの種類がさらに増えているので、人と自分を比較する機会も必然的に多くなっていると言えます。

 たとえば、友達がSNSのストーリーですごく楽しそうな動画を投稿して、自分は家のベッドに寝転がりながら「羨ましいな~、自分は何をやっているんだ......」なんて思うこともあるかもしれません。しかし、今から私が言うこと聞けば、皆さんはハッとするはずです。

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 まずその友達が投稿した動画は、「その人の24時間の中で、一番最高だった瞬間」です。一方で、自分は映画の鑑賞中や誰かと話しているときなどではなく、おそらく暇なときにその動画を観るのではないでしょうか。このように他者の最高な時間と自分の満足度が低い時間を比較すれば、そこに圧倒的なギャップが生じるのは、当然のことです。しかし、「人間は無意識に羨ましさや劣等感を感じ、それが水面下で増幅し、気がつくと幸福度が下がっている」ことがデータで証明されているのです。

 他にも、こんな話があります。Aさんが、SNS1万円の財布の写真を投稿しました。すると、5,000円の財布を使っているBさんがその写真を見て、強い劣等感を感じたそうです。そして、Cさんが5万円の財布の写真を投稿すると、今度はAさんも劣等感を感じてしまいました。

 ここでのポイントは、「自分が大切にしていて、満足を感じるかけがえのないものは何なのか?」ということです。

 この例が飼い猫だった場合には、仮に自分のところが雑種、よそが血統書付きだったとしても、羨ましいと感じる方はきっと少ないのではないでしょうか。それは、自分の価値観に当てはまる幸せが目の前にあって、大切な家族だから比較対象にはならないからだと思います。

 自分が何に対して幸せを感じ、有意義だと思い、何が学びになるかは人によって違います。その軸がブレなければ比較をしても落ち込むことはありませんし、上回るためのアクションを起こす必要もありません。2つ目は、こういった考え方も大切であるという内容でした。

3つの科学的アプローチ③:失敗 is 最高の経験&学び

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 3つ目は、成長マインドセットを持つこと、すなわち失敗 is 最高の経験&学びです。

 スタンフォード大学には「やればできる!」というマインドセットの研究をしている、キャロル・ドゥエック心理学教授がいます。そして彼女は、成長マインドセットのある人が、アスリートとして成功していることをデータで立証する論文を発表しています。

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 この画像には「成長マインドセット」と「固定マインドセット」という、相反する2つの考え方が載っています。困難や失敗をした際に「これが自分の限界だ」と思うか、「成長のチャンスだ」と思うかで、その二者の能力には大きな差が生まれます。そして、成功している人たちは「成長マインドセット」の方をもっているわけです。

 電球を発明したトーマス・エジソンは1万回の実験をしましたが、その過程は失敗ではなく、成功に至るためのデータです。バスケットボールで有名なマイケル・ジョーダン氏はNBAでもっともシュートを決めた選手ですが、もっともシュートを外した選手でもあります。野球のイチロー選手も、生涯打率3割というすごい記録を残しましたが、本人は「失敗した7割の方が野球人生では財産です」と言っています。

 彼らのように幾度もの失敗積み重ね、そこから得た学びを次に学びを活かし、そのサイクルを楽しむマインドをもつことが非常に大事だと、私は思っています。才能や結果だけを見るのではなく、その努力とプロセスを賞賛しながら、自分が何者なのかをぜひ考えてみてください。

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生徒の皆さんから寄せられた質問

 今回の講演にあたって質問を募集したところ、なんと合計84個もお寄せいただきました! 「高校1年生は、現役の社会人に何を訊くのか?」という参考情報として、質問のみを一部ご紹介します。

■野球部はどうしたら強くなりますか?

■部活での経験が社会で役に立ったことはありますか?

AIに職を追われた人に未来はありますか

■人生一度きりだからこそ転職4回くらいして色々な仕事に就く、というのが理想ではありますが、現実的に考えて転職を何回もすると生きていけないのではないかとも思います。どう考えていますか?

■自分のやりたいことに進むか、適正のある進路に進むべきか、どちらがいいと思いますか?

■高校生である今やっておいた方がいいことってありますか

■社会人から見た高校生活の意義とは何ですか?

■半沢直樹のように、上司に真っ向から対立することはありますか?

■ぶっちゃけ仕事辞めたいと思ったことはありますか?

■社会に出ると、学校と違ってさまざまな年齢層の人と接するようになると思うのですが、その点の面白い部分を教えていただきたいです。

まとめ

 今回は、南高校での進路に関する社会人講演の内容をお届けしました。ここでは、生徒の皆さんからお寄せいただいた感想の一部を掲載します。


AIがあそこまで進化しているとは思わなかったので、少しワクワクしました。今まで、自分について知ろうとしても行き詰まって結局何も得られないまま終わることしか無かったので、AIに質問して言語化を突き詰めていこうと思いました。

■社会人になるために自分に適した職業や職種、会社など決めるのは必要だがなにが起こるかわからない今の世の中だが、いろいろな選択肢があって良いと思いました。私も自分の今やりたいことやその仕事が好きでいられるような職業に就こうと思いました。

■特に最後の方に話していた成長マインドが大事だと思いました。最近自分は過去の失敗に対して自己嫌悪に陥ってしまいがちだったので、やってしまったことはやり直せないからそれを次に活かしていこうというマインドにすることで明るくなれました。

■私はまだ将来就きたい職業などが明確に決まっていないのですが、今回のお話を聞いて、本当に自分がやりたいことをやっていいんだと改めて感じることができました。私も本村さんのように、楽しみながら仕事をしたいと思いました。

■今回の本村さんの講演で、節目節目で選択するときに大事にすべきことのヒントを得られた気がします。私たちはこれから、人生に影響するような選択をする機会がどんどん増えると思います。今近いのは大学に関する選択ですが、それも自分のことをよく知ってから、自分なりの答えを出していきたいと思いました。

■コロナ禍を通して、未来が全く予測できなくなっているということに納得したが不安も感じた。自分がやりたい仕事と、AIやパンデミックに対して強い仕事のどちらを選ぶことが幸せなのか、よく考えて進路を決めたいと思う。

■今までは、働くことについて漠然としたイメージしかなかったが、今回の講演を聞いて、大学に進んでから仕事に就くまでの具体的な流れを想像できるようになった。仕事は大人になったら生活の大半を占める重要なものなので、今のうちに色んなジャンルの経験を積んで、自分が心から楽しめることを見つけ、常に向上心を持って働けるような職に就きたい。

AIについては、私は否定的な声しか聞いたことがなかったが、本村さんのお話を聞いて、外国語を自分の声で届けることができるなど、使い方次第でポジティブな見方もできるなと思った。また、私は人と比べてしまうことも多々あるので、自分の軸を持って受験に対しても取り組んでいきたいと感じた。


 今回は上記以外にも、紹介しきれないほどの感想を受け取っています。なかでも「ポジティブになれた」「自分のことや価値観を見直せた」「AIやテクノロジーの進化に驚き、興味をもった」といった内容が、特に多く見受けられました。

 変化が激しく先の見えない現代において、生徒たちはきっと色々な悩みを抱えていることでしょう。そして本講演では、そんな彼らが進もうとする道に対して、社会人が有効なヒントを届けられることが分かりました。マクニカでは今後もさまざまな活動を通じ、社会貢献活動を推進してまいります。

■新たな価値を創造するための共創基盤 Re:Alize
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