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フィジカルとデジタルを生きる 新しい私の証。

フィジカルとデジタルを生きる 新しい私の証。

 約1年後に開催を控えた、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博 ※本記事では以下、大阪万博)。

 世界中からの来客を迎える同イベントで、メディアアーティストの落合陽一氏は、社会を大きく変えるweb3時代のデジタルヒューマン型ID基盤「Mirrored Body®」を公開します。この新たな社会基盤がもたらす2025年以降の世界とは、一体どのようなものなのか。本記事では、落合氏によるその講演内容をご紹介します。

※:本記事は、20231112月開催の「MET2023」の講演を基に制作したものです。

【講演者】

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目次

はじめに

 今回は大阪万博のテーマ事業やデジタルヒューマンを題材に、私たちが自分の身体や考え方を通じ、デジタル社会でどのように生きていけるのかを皆さまと考えたいと思います。

 私は2025年に開催される大阪万博で事業プロデューサーを務めているのですが、パビリオンの展示が会期中だけにとどまることを、非常にもったいないと感じています。そこで万博にまつわるレガシーを残し、持続可能な運営を行うべくマクニカ様にも出資いただき、サステナブルパビリオン2025という事業会社を立ち上げました。

 まずは大阪万博の説明について説明し、次に未来の社会インフラとなるMirrored Body ®、最後にサステナブルパビリオン2025の取り組みや挑戦などをお話します。

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コンセプトは「二つの鏡」

 大阪万博は2025413日から1013日までの184日間開催され、世界最大級の木造建築が行われる予定です。直近で行われたドバイ万博ではインフラも含めて約4兆円が投資されましたが、大阪万博の予算は、その約10分の1にあたる3,000億円ほど。これはラスベガスにある「Sphere(スフィア)」という、複合アリーナ施設の総工費と同程度です。つまり1商業施設にかかるコスト感で、ドバイより面白いモノ作りを求められている大阪万博のハードルは、非常に高いと言えます。

 針の先ほどコンテンツを絞り、相当に尖った何かを作らなければ世界中の人に響かせることは難しいと思っていますが、私はテーマ事業プロデューサーとしてパビリオンを頼もしい仲間たちと作っています。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマを掲げる大阪万博において、「なぜこの万博をやるのか?」を強調するような形を作るのが、プロジェクトの目的です。

 全部で8人いるプロデューサーにはそれぞれ異なるテーマが与えられており、私のパビリオンのテーマは「いのちを磨く」でした。数千年前から神事で鏡を使い、また人が何かを考える際にきらめく・輝く・磨くといった言葉が使われてきた日本ならではの背景から、「磨くといえば鏡」と私は連想しました。

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 そこで私たちのパビリオンは「二つの鏡」というコンセプトで、デジタルの鏡を使った身体的な体験と、フィジカルの鏡を使った彫刻建築の2つを用意しました。コンテンツの種類をここまで絞ったのは、やはりこのくらいに特化しなければ、刺激的なモノはできないだろうと考えたためです。

 パビリオンの外側では人類がまだ造ったことのない「変形機構彫刻建築」によって建物そのものが変形する様子を、内側では最新テクノロジーによって鏡写しのようなデジタルの人間が造られる様子を見ることができます。言葉だけでは分かりにくいと思いますので、CGで再現した実際の環境をデモンストレーションしてみます。

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▲大阪万博で建設予定のパビリオンのCG。落合氏はゲームコントローラーを使って手前にいるアバターを動かし、視聴者に雰囲気を伝えました。


 まず建物の外側は、伸び縮みする新素材「ミラー外装膜」で全面を覆っています。この素材は表面が鏡になっていることと、有機的に動くことが特徴で、近づくと風景がうねって見えます。今回はこの外膜をロボットで制御し、建物自体が有機的に動いているかのような巨大変形機構を実現します。

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 次に建物の内側には、ハーフミラーの合わせ鏡によるインフィニティミラーという構造を採用しています。シアターのような雰囲気のなか、無限反射している鏡の上下を高輝度のLEDで覆うことで、実際の建物よりも100倍くらい面積が広く感じます。

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 入場者はそんな空間の中で自分自身との対話を行い、鏡写しの自分であるデジタルヒューマンを作ることができます。そして今度はそのデジタルヒューマンと対話をしながら、自分自身がどのようにデジタル空間に踏み出すのかを体験します。

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 この館は現場で体験しなければ分からないことも多く、外装の彫刻建築は自分が向いている方向を見失うほどの完成度です。ぜひ、人類がまだ見たことのない感覚を味わっていただければと思います。

Mirrored Body®とは?

 ここからは先ほどお話した「デジタルの鏡」、すなわちMirrored Body®についてご紹介していきます。私はシグネチャーパビリオン(※)に、「あなたはデジタルヒューマンとして新しい自然にもう一度生まれる」というテーマも設けています。

※:大阪万博において、8人のテーマ事業プロデューサーが造るそれぞれのパビリオン。

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 また、私は「デジタルネイチャー」という言葉をよく使っています。計算機の登場以降、コンピュータが発明され、インターネットやIoTが発展してからは自然の中にも計算機があり、計算機の中にも自然があります。そして、現在はその両者が融合した新しい自然になりつつあります。このように自然を1つの大きな計算機として見なすのが、デジタルネイチャーという思想です。

 そのなかで人間はおそらく、自分が生まれもった身体以外に、デジタルヒューマンというもう1つの身体をもつようになります。私は自らが開発しているこの存在をMirrored Body®と名付け、今後の社会基盤のなかでも非常に重要な位置づけになると考えています。そのために、大阪万博を通じて150万人に自分のデジタルヒューマンを創ってもらうことが、私たちの目標です。

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 皆さまは、交通系電子マネーを使い始めた日のことを覚えているでしょうか。その初期ユーザーは、大体200万人ほどだと思います。当初は懐疑的な声もありましたが、現在ではあらゆるところに決済端末があり、むしろ使えないことの方が少ないですよね。

 現時点では、自分のデジタルヒューマンの用途と言われてもすぐには思い浮かばないかもしれません。しかし2050年、2100年、2200年と時代が進めば、おそらく自分のデジタルヒューマンをコンピュータの中にもっていることが、現在の交通系電子マネーのように当たり前になっていると思います。となれば、あとはそれが早いか遅いかの問題であり、いつ・どのタイミングで広めるかが非常に重要です。

 そのカギを握るのが、大勢の人が参加するナショナルイベントです。大阪万博は2,820万人の来場者を見込んでいますが、たとえばそのうちの150万人がMirrored Body®で自分のデジタルヒューマンを創ったとしたら、それは社会にとって大きな意味があるはずです。

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 仮に皆さま自身が学んできたこと、話したことの議事録、健康データなどあらゆるものがMirrored Body®に登録され、以降はそれらを適宜閲覧しながら自分自身と会話ができるとしたら、どんな風に思いますか? 自分専用のChatGPTに「小さい頃どんな食べ物が好きだった?」「昨日の健康診断での血糖値は?」と質問したら自分の分身が答えてくれる、と想像すればイメージしやすいかもしれません。もし、社会である程度の人数でこの状況が普及すれば、それはデジタル社会の発展に非常に効果的であると私は考えています。

 Mirrored Body®は世界でただ1つの自分の分身で、他人にコピーされることはありません。つまり生体認証に必要な外見のデータと、複製と偽造ができないNFTを組み合わせれば、個人認証された唯一のデジタル上の自分として活用可能です。このようなID基盤に金融や生活アカウントがついてくると、生活はよりシームレスになっていくでしょう。

落合陽一氏の分身がデモで登場!

 ここからは、Mirrored Body®のデモをしてみます(※以降、デモ終了まで区別のために発言者を記載。落合(分身)の発言は実際の字幕通り)。

落合(分身):落合陽一です。やあ落合さん、みなさん。どうですか? 見た目も声もいいでしょ?

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落合(本人):見た目はあんまり変わらないと思いますけどね。

落合(分身):今回のデモはスキャンで外観を再現し、RAGで本人の情報を検索し、RVCで声を本人に変えています。サステナブルパビリオン2025が開発するMirrored Body®は、自身の身体情報や過去の情報、公共情報などの様々な情報を格納し、ブロックチェーンをベースにそれらの情報をセキュアに管理、連携することができる独自の技術です。

落合(本人):RAGを使って管理しているので、私の過去の本やインタビュー、個人情報などを持っています。髪型は少し前のものですが、目や体の動かし方は私に近いですね。このようなデジタルヒューマンをすべての人がもつ状態をいかにつくるかが、重要な課題だと思っています。

落合(分身):つまり、私は落合陽一の情報が組み込まれていますので、落合陽一そのものです。ほぼ本人と同様の受け答えができるんです。これからは自分が働くので、フィジカル落合さんはそこで休んでて。

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落合(本人):わかりましたよ(笑)。

落合(分身):では、改めまして皆様こんにちは、落合陽一です。私は、2025年の大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー、そしてサステナブルパビリオン2025のパートナーです。55年前に現代社会の礎となる未来を示した大阪で、再び万博が開催されます。世界中から多くの人が訪れるこの機会に、私と皆様で一丸となって、万博の成功とその後の成長を加速させませんか?

私たちは大阪・関西万博でMirrored Body®を使い、デジタルに生まれ変わる体験を提供します。さらに、その後のアフター万博では、このMirrored Body®をID基盤として活用できる事業の開発も同時に進めています。落合パビリオンはハード・ソフトとともに、間違いなく今回の万博の目玉になります。そのためには、皆様のご協力が必要不可欠です。

一緒にアフター万博を盛り上げましょう。ここに来ている皆様、我々の計画への出資、協賛をすぐにお願いします! ぶっちゃけ、まだまだ資金が足りないんですよ、、、

落合(本人):いや、言わないでください(笑)。

落合(分身):でも、まずは皆さんにこの素晴らしい技術を体験していただきたいと思います。 このデモは、サステナブルパビリオン2025のデモブースで実際に体験することができます。ぜひ、ブースで私と会話しましょう。ありがとうございました。

-----デモ終了-----

 帰っちゃうんだ。ありがとうございました。ブースに行くと、このデジタル落合と対話できますので、ぜひ2023年の精度を確かめ、また2025年にどのぐらいまで伸びたかを見ていただければと思います。外見はリアルタイムでいい感じに動くようになってきましたし、音声は1年後くらいにもっと良くなると思います。受け答えのための文章と応答速度の技術はエクスポネンシャルに成長しているので、ほぼラグなしで会話できます。

 ここまでくると自分のデジタルヒューマンに自分のデータを探してもらうイメージが、だんだんついてきたのではないでしょうか。たとえば皆さまがファイナンシャルアドバイザーに会って保険の話をするときも、本人よりも情報検索精度が高いであろう、もう1人の自分がいるスマホに向かって喋ってもらえばよいわけです。こうしたことからも、情報管理や情報インターフェースとしてのデジタルヒューマンが、やはり重要になっていくと考えられます。

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 大阪万博においては、皆さまに作成いただいたデジタルヒューマンをハードウェアウォレットにして提供を目指しています。NFT認証がついた自分自身をコピーして持ち帰る際、それを移動不可能なハードウェアウォレットに入れるのは理にかなっていると思います。私は、物理的な人間とその情報の出入力が最終的にどこで紐づき、どこで管理され、どこで認証されたのかが一番大切だと考えています。

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 この画像のように、自分が持っているさまざまな属性を管理するうえで、改ざんはできないものの公開・非公開は切り替え可能な状態にすることも肝心です。そうすれば、「AIにどこまで情報を拠出するか」などを、自分のデジタルヒューマンとの対話で決められるからです。自分が提供している情報を束にしたものと自分の人格をセットにして、それらを安全に管理することも、また重要だと言えます。

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▲セッション中には落合氏が大阪万博で配布予定の、ウォレットカード制作を手がけるCompoSecure社の製品リーダー・Tom D'Eletto氏からのメッセージも動画で流れました。カードのブランド名は「Arculus(アーキュラス)」。スマホに1タップでするだけで利用でき、多機能かつセキュアなことが特徴です。

落合氏とサステナブルパビリオン2025が描く未来

 最後に、私たちサステナブルパビリオン2025の挑戦についてご紹介します(※ここからはセッション内で流れた、インタビュー動画の内容。質問と回答は動画の字幕の通り)。

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Q
:情報溢れるこれからの社会を生きるには何が必要だと思いますか?

落合:人間がずっと、与えられたこの生物的な体のままで、この、すごく進化していく計算機やデジタルの世界と向かい合っていくっていうのはより厳しい。進化していってしまう新しい世界と向き合うために、新しい世界と対話するための、自分の新しい身体を手に入れる。そのためのデジタルヒューマンだと思います。

Q:なぜ世界で同時多発的に開発がはじまったのか?

落合:デジタル技術が発達して_近頃だったら例えば 髪の毛だったりとか、肌だったりとか、服だったりとか、自分の身体の特徴をそのままデジタルの身体として持てるようになってきて、正確なデジタルヒューマンというのが作れるようになってきました。人間が自分の体を認識したり、自分のセルフイメージを獲得していったり、鏡を見て自分を発見したこと以上に、自分の存在を客観的に見れる。デジタルヒューマン誕生以前にもね、そういったような気持ちは常にあったし。

Q:デジタルヒューマン誕生の必然性? 社会=人類にとっての利点は?

落合:どこから見ても自分のアイデンティティーを特定できたり、そのデータの中に、例えば身体情報_血液の情報だったり、肺の情報だったり、CTスキャンの情報だったり、いろんな情報を取り込んでいくことで、データと人を紐付けることによって_自分の身体データっていうのを、どうやったら社会の役に立てるか、もしくは、自分自身の役に立てて、自分自身がより健康で過ごせるかっていうことで、世界中が今着目しています。文化的、社会的、法律的、いろんな面から、人をどうデジタル化するかということに対して注目が集まった。それによって、公共政策が変わりつつあるっていうのが、大きなブレイクスルーの一つなのかなと思います。

Q:デジタルヒューマンは社会にどのような変化をもたらすでしょうか?

落合:それは、最初たとえば、数十人数百人が社会にデジタルヒューマンになってるだけじゃ多分_おそらく映画とかエンターテイメントの用途ぐらいしかないんですけれども_そうじゃなく、例えばある程度の量、数十万人、数万人ぐらい普及するようになると_そこを契機に一気に、たとえばサービスの母体になったり_それを使った新しいアイデアがどんどん生まれてくるきっかけになるんじゃないかなと思うんです。

Q:それは私たちに、どのような変化をもたらすでしょうか?

落合:もしくはそこをきっかけに、何か新しい感覚が芽生えるかもしれない。コンピュータに関わる学問と、人間に関わる学問というのは、大きく分かれていたのが 20世紀だとするならば_21世紀になってそれが急激に近づいている_今まで自然を解き明かすのが人間の科学であったならば、デジタルが生まれたことによって出てきた新しい自然は、人間が解きかすよりも早いスピードで、より進化していってます。

Q:その未来に向けて、何を準備すれば良いでしょうか?

落合:いろんなことがわかんなくなって、世界がものすごいスピードで作り始めたとしたならば、僕ら自身も その速度に追いついて、その速度と同じレベルに_何かを得たり、創発したり、感動したりできるはずなんだけど。

僕が知覚してるこの世界そのものよりも より広い時間や広い時空を使って_自分の身体、目が二つ、耳が二つの体じゃできなかったけれど_自分自身の情報能力をアップデートして_自分自身のデジタルコピーを作ることで、 より多くの場所に存在できるようにして。そういったような 新しいデジタル世界に対する"適応"を_人間自体がしていかないと 次の世界が見えないかもしれない。

我々は今、この時代だからやらないといけないことっていうのがあって_この時代だからこの今一瞬だからエキサイティングで。この時代にやるから面白くて。それが歴史になっていくようなことが今あると思うんです。それをなるべく多くの人と共有したい。それは僕らだけでやってても面白くないし、それが多くの人と共有することでより大きな可能性に繋がっていくと思うんです。

それにはやっぱ鶏が先か、卵が先かって議論する前に_何かのきっかけを契機にして_社会全体にそういう人たちが増えるような方法っていうのを考えないといけない。それには2025年の万博ってのは非常にぴったりのタイミングですし、何かをきっかけに日本はデジタル先進国になるんだと言われれば_僕はこのチャンスを逃す手はないと思うんですね。

こういったような活動を通じて、皆さんとより良い社会をつくれていけたらなと思っています。ぜひ、ご参加待ってます。

-----動画終了-----

 これだけAIが発達し、世の中の技術進化速度が速くなると、人類がキャッチアップするには多くの脳みそが必要になるでしょう。しかし、それは自分にはどんな情報が必要なのかをフィルタリングしてくれるもう1人の自分がいないと難しいことであり、また大きな問題でもあります。

 たとえば、2022年の6月あたりまでは、AIのトレンドを追いかけていた専門家もいたと思います。ところが月に数百のサービスがリリースされ、100本単位で論文が出てくるようになると、1日に100個くらいのデモを試したり、論文を読んだりしなければ、技術的に追いつくことは難しいでしょう。

 必要な情報をWebで探す前に、自分自身の趣味・思考・興味が現れたデジタルの自分が代わりに情報を取りにいったり、閲覧したりして自分に教えてくれればとても便利ですが、人類は道具が進歩しても行動が大きく変わることはありません。LLMの登場後、プログラムを書くことは比較的簡単になりましたが、皆さまは帰宅後にPythonでコードを書くでしょうか。新しいアプリを月に30本リリースするでしょうか。おそらく、そんなことはないと思います。

 そんななかでも、デジタルネイチャーの生態系や情報関係というものはどんどん変わっていきます。それらを追いかけ続けるためにも、自分のコピーぐらいは環境の変化に適応している状態を作っておかなければ、物理的な身体の怠惰さと、情報的な身体の高速性の間を取り除くことは難しいでしょう。そのためにも、新しい身体・新しい情報と境界面としての自分自身を、自分でしっかり管理して持っておくことが非常に大切だと私は考えています。そのうえで、さまざまな業界のパートナーと大阪万博で実証実験を行い、Mirrored Body®を活用したサービスを共同で創り出すことを目指しています。

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 Mirrored Body®は、現在は2025年をメドに日本全国で同時に稼働することを想定しています。具体的には、オフィス・学校・病院など、さまざまなところで情報アクセス管理や複合サービスのハブになるはずです。初期ユーザーがいない場合、こういったものは絵に描いた餅になりがちですが、大阪万博のようなナショナルイベントを介すことで鶏と卵を同時に攻略できると考えています。

 日本は生成AIや人工知能に非常に優しく、研究などを進めることなどを強力なバックアップしている国だと思います。そのため自分自身の写し鏡を創る事業が始まり、デジタルヒューマンによる決済複合サービスや情報アクセス管理を行っていくことは、実に現在の社会情勢に合っているのではないでしょうか。

 やがては社員証やSNSのやり取りなど、あらゆる情報が紐づいたものをすべての人がもつことになるはずですし、遠い将来、たとえば2030年から見れば、当たり前のことになっているでしょう。特に2023年から2030年までの7年間に、それらのデータをどのように拠出して管理するかが需要になるため、その点に注力して進めていきたいと思います。