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ローランド ディー.ジー.×マクニカ共創活動レポ~子どもたちがAIで創造した、この世でひとつの宝物~

ローランド ディー.ジー.×マクニカ共創活動レポ~子どもたちがAIで創造した、この世でひとつの宝物~

――みなさんは、未来を創ったことがありますか?

2023年826日、ローランド ディー.ジー.株式会社(以下、RDG)とマクニカは、そんな問いかけをテーマにした共創ワークショップ「未来のカタチづくり」を、RDG本社(静岡県浜松市)で実施しました。

主役は小学1年生~6年生の子どもたち10名で、当日に同伴したお父さんやお母さんは、いずれもRDGの社員でした。

今回の活動には、2つの目的がありました。1つ目はRDGの会社と、同社の製品(つまりお父さんやお母さんの仕事)を知り、好きになってもらうこと。2つ目は未来のクリエイター候補でもあるその子たちに、AIの活用方法を知ってもらうことです。

企画したのは、RDGとマクニカの有志社員で形成されたチーム「Amazing Simeji(アメイジング シメジ)」のメンバーでした。果たしてこのチームは、いかなる方法でワークショップの目的を達成しようとしたのか......? 本記事では、MET Media編集部による現地取材レポートをお届けします!


■ローランド ディー.ジー.とは?
業務用インクジェットプリンターを中心とするプリンティング事業と、3次元デジタルツールを中心とするDGSHAPE事業を柱とし、イメージ(想像)をカタチ(創造)にするデジタル機器を開発・製造・販売している企業。各国の連結子会社を中心に、世界200以上の国と地域に製品やサービスを提供中。

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※本記事の写真は、いずれもRDGおよび参加された方の同意を得て掲載しています。

目次

「未来を創ってみよう!」から始まったワークショップ

今回の活動は、RDG本社の大きな会議室を使って行われました。

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やがて開始時刻を迎え、本ワークショップの牽引役であるRDGの萩森さんから、参加された皆さんへの説明が始まりました。

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RDGとマクニカの紹介を終えた萩森さんは、子どもたちに問いかけました。

「みなさんは、未来を創ったことがありますか?」
本ワークショップのテーマです。

次に「未来を創るって、どういうことだろう?」と前置きをしたうえで、「私たちは毎日"えらび"ながら、未来を創っているんです」と続けた萩森さん。

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そして「今日はみんなが考える"未来" を創ってみましょう!」と子どもたちに語りかけ、場面はワークショップの詳細説明へと移ります。

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本ワークショップで子どもたちに挑戦してもらうことは、2つでした。1つ目は、生成AIを使って自分の思う未来(好きなもの)を自由にデザインすること。2つ目は、そのデザインをRDGのプリンターを使い、巾着に印刷することです。

ちなみに当日は子どもたちのサポートを行うため、RDG側からはプリント技術、マクニカ側からはAI活用に詳しいメンバーがそれぞれ参加していました。

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▲ワークショップの流れ。自己紹介タイムでは、
ちょっぴり緊張してしまった子もいました(笑)。

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 ▲マクニカのメンバーから、生成AIの説明も行われました。

AIで画像生成! 柔軟な発想力が生み出した、斬新なアイデアの数々

説明が終わったところで、いよいよワークショップ本番のはじまりです。子どもたちはお父さんやお母さんと一緒に、画像生成のためのワード(プロンプト)を一生懸命考えていました。

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▲ときには、スタッフがアドバイスをすることも。

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▲こちらは小学1年生の男の子。お父さんと一緒に体験していました。

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▲にっこり笑顔もいただきました! どんな画像ができたのかな?

会場では、親子の協力によってステキな作品の数々が創造されていました。そのほんの一部を、箇条書きでご紹介します。

・大好きなゲームに出てきてほしい、新たな架空のモンスター

・大好きな飲み物の色を採り入れた、空飛ぶ車(グラサン&翼つき)

・大好きな炭酸ジュースを体から噴出するクラゲ

・七色に輝く店の玄関で、おいしそうにラーメンを食べる猫

・のどかな森の家で、動物と一緒に楽しそうに遊ぶ女の子

・オーラをまとい、台座にたたずむ3本のかっこいい剣

・なぜか喧嘩している2匹のクマ

・周囲の小魚を喰らう、こわ~いゾンビ鮫

・大迫力の海竜やドラゴン

・どこからかやってきた、謎のヒーロー

驚いたことに、多い子では1つのテーマだけで200枚以上も生成したそうです。生成AIを使う楽しさに目覚めてしまったのかもしれませんね(笑)。

うまくできるかな? ワクワクの巾着プリント

好きな画像の生成が完了した子どもたちは、次の工程へと進みます。

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まず、完成した画像のデータを印刷用のパソコンに送ります。

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プリンターで専用シートに、生成した画像を印刷します。このプリンターはRDGの製品で、「VersaSTUDIO BN-20D」といいます。ちなみにこの後の工程も含め、今回使われたプリント手法は「ダイレクトトゥフィルム」と言われるものです。

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印刷できたら、シートに専用パウダーをまぶします。これは後の工程で、絵を巾着に写すために必要なものです。

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125℃に熱されたオーブンに、粉をまぶした専用シートを入れて約3分プレスします。これによりシートに付着した粉が溶け、平坦になります。

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オーブンから専用シートを取り出したら、最後の工程へ。専用シートから絵の部分だけをカットし、巾着の中に入れ、ヒートプレス機で合計2回プレスします。

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プレス後、巾着を冷ましてシートの残った部分をゆっくり剥がせば......ついに完成! 自分だけのイラストが描かれた巾着を手にした子どもたちはみな、とても嬉しそうな笑顔をしていました。

また、多くの子どもたちは巾着の完成後にも生成AIを使い、お父さんやお母さんと一緒に色々な画像を創っていました。よほど気に入ってくれたのでしょうか。

楽しかった時間もあっという間......最後にプレゼントも!

やがて全員の巾着が完成し、ワークショップも大詰めです。まずは萩森さんから、まとめの挨拶がありました(以下、本人コメントを要約)。

「お父さんやお母さんの協力のもと、子どもたちがルールを守り、しっかり話を聞いてくれたおかげで、非常にスムーズに進みました。子どもたちのIT機器の慣れ具合にも、感動しました。今日は大成功です! ありがとうございます!」

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次に、頑張った子どもたちへのプレゼントとして大量のお菓子が登場しました。今日つくった巾着に詰め、持って帰ってもらおうというRDGの計らいです(入りきらなかった分は、お父さんやお母さんのカバンでもOKでした)。

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最後は記念撮影です。「11は~?」というおなじみのフレーズで、みなさん、とてもステキな笑顔を見せてくれました。

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こうして、ワークショップは無事に終わりを迎えたのでした。

まとめ

今回は、RDGとマクニカの共創活動レポートをお届けしました。マクニカをよくご存知の方には特に、とても珍しい取り組みだと感じていただけたのではないでしょうか。

子どもたちには巾着の完成後、ワークショップの点数を付箋に書いて貼ってもらったのですが、多くが高得点であったことから、満足度の高さがうかがえました。

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生成AIは同じプロンプトを繰り返し入力しても、基本的に同じ画像を生成することはありません。つまり子どもたちが創り出したオリジナルイラスト付きの巾着は、まさに一期一会、世界でたったひとつの宝物なのです。それを手にした子どもたちがこんなに喜んでくれたことを、Amazing Simejiのメンバーの皆さんは、とても嬉しく思っているようでした。

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子どもたちが生成AIという最先端のテクノロジーを使い、未来を創造する。今回のワークショップは、その可能性を存分に体現したものだったと言えるでしょう。マクニカでは、これからもお客様とのさまざまな共創活動を推進してまいります。



新たな価値を創造するための共創基盤 Re:Alize

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